パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

「風立ちぬ」

見てきました。

 

 公開される前に散々テレビで騒がれ、特集を見ていた。

 

二郎の声をエヴァ監督庵野が担当するとか、アメリカ人がドイツ人になってるとか、この作品に込めた宮崎駿の想いとか、監督とずっと二人三脚で色をつけてきた美術監督の想いとか、なんかようわからんドキュメンタリーだった。

 

映画をよくよく見てみれば、そんなの思い起こすスキひとつもらえなかった。

そんな風に見入ってしまった。

 

今日は一日暇だったので、思い立ってみてきたの。

 

ネタバレとしては、なんというか、ずっと絶望にはしっていく感じ。

時代が時代だから、仕方ないのかもしれないが。

しょっぱな、関東大震災

ラスト、第二次世界大戦

 

飛行機にかけた、ひとりの男の願いは、

「みんなを喜ばせるような飛行機を作りたい」ということだったのに、

最終的に周りから認められ、賞賛された飛行機は、

神風特攻隊を載せて1機もかえってこない現実にカタチを変えた。

 

恋に落ちて、結婚した奈緒子は結核で死んだ。

それでも、「生きねばならない」って、なんなんだろう。

どうして、生きなきゃいけないんだろう。

 

奈緒子が高山療養所をとびだして二郎の住む名古屋へ身一つで走ったとき、

こんな風に人を愛したいと思った。

二郎と奈緒子が結婚したいって言ったとき、すぐさまそれに協力してくれた二郎の上司、黒川夫妻が泣いたとき、

こんな風に人から愛されたいと思った。

 

それから、なにより、二郎がひたすら夢見た飛行機。

空中分解せず、空を飛ぶ飛行機。

空に憧れて、三菱に就職して、軍と協力しながら、

ただ飛行機を作りたいって気持ちだけで、結果的に戦争に加担してしまい、

大学を卒業してからのたった10年で

愛する人を愛し、亡くし、

それでも「生きねばならぬ」と夢の中で先人に言われた二郎。

 

切ないな、と思った。

ひたすら切なかった。

奈緒子も、切なかった。

弱って死ぬ姿を見られる前に、二郎が出張に出かけた際ひとりで療養所に戻る奈緒子の背中が、切なかった。

 

 

何を大事にして生きるか。

何のために生きるのか。

もっと、考えなきゃいけないと思った。

 

 

それから、愛しい人をきちんと愛したいと思った。

私にはとてもすきなひとがいる。

全然会えてないけど、高校の時からずっとすきで、何度もつらくて泣いたし、友達にも散々もうやめなよと言われたけど、それでもすきなひとがいる。

一生をともにしたいと思うくらい、すきなんだけど

それでもたまにもうやめたほうがいいかなって迷うこともあったりして

そのたびに一本軸通ってない自分が嫌になったりして

気持ちがぐらぐらする、ひとがいる。

彼はとても一生懸命仕事をしているのだけど、その姿を二郎に見た気がする。

一心不乱に仕事をして、寝ずに残業して、帰宅しても奈緒子の手を握って仕事をする二郎が、彼のように思えて、泣いてしまった。

 

奈緒子は結核だから、汚い空気とかダメ。

二郎が残業持って帰ってきて、横になる奈緒子の手を握りながら片手で飛行機の設計をする。

「ずっとこうしていて」と奈緒子が話すの。

「片手で計算尺を扱う大会があったら、僕は一位になれる」って二郎が言うの。

そのなかで、二郎は煙草を吸いたくなる。

「煙草吸いたいから少しだけ離してもいい?」って言うのに、奈緒子は

「ここで吸って」と返事するんだ。結核なのに。

 

彼も煙草を吸っていた(いまはあまり会ってないから知らない)から、手を握りながら煙草を吸って仕事を続ける二郎が、

私の手を握りながら煙草を吸って車を運転する彼にとてもよく似ていて

たまらなく会いたくなってしまった。

 

なんというか、穏やかな時間が流れていたなあと思う。

奈緒子は死ぬから、子供欲しいとか言わない。

かといって、二郎と奈緒子の親はほとんど何も言わない。

幸せのカタチがモヤモヤしていて、漠然としていて、よく見えなかった。

青いハートマーク、といったらいいのかな。

 

映画は唐突に終わる。

本当に唐突に終わる。

「えっ、これでおしまい?」ってレベル。

上手く落ち着いてくれない。

 

頭で考えるな、心で感じろ、と言われた気がする。

それから、世の中には矛盾がたくさんあるから、自分が本当に譲れないとおもうものを何より大事にしろ、ブレるな、目の前の何かに惑わされるな、とも言われた気がする。

 

いい映画でした。

周りのお客さんは「よくわかんなかった」って言ってる女の子もいたけど、

フツーに素晴らしい映画だったと思う。