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パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

むかえに行くよ/嵐

嵐事。

「寝転がって眺めた 悲しいことがあると

 蒼い空 鳥が飛んでゆく」

 

 

大晦日、教授に送付していた卒論に赤入れがされて返ってきた。

実家のダイニングでパソコンを開いてタラタラしていたときだった。

 

まず、メールをひらく。

記憶から抹消したくなるほど、先生は私に向き合ってくれていた。

文面から学問をナメるなと言われているようだった。

 

続いて、論文をひらく。

大量の赤入れ。

「かなり荒いです」

「前期の授業は意味がなかったのでしょうか」

「このままだとめちゃくちゃになるとおもいます」

「異常なまでに端折ってあり何が書いてあるのか不明」

「先生分かるよねという書き方からは卒業してください」

 

脚注や引用、文字サイズなどはとりあえず何も整えず送った私も私だった。

全て叩かれた。

 

一生懸命頑張ったつもりでいた。

自分の情けなさに涙が止まらなくなった。

今まで何をやってきたのか、そしてどうしてここまで質の悪い文章しか書けないのか。

もう、メールの文章に傷つくのが怖くて開けない。

 

携帯電話の電源を切って、一応持って、外に出た。

 

外は風がなくて、あまり寒くない。

 

中学校まで行った。

 

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おそらがひろいでしょ。

田んぼの真ん中にあるから、野球部のバックネットの裏側はすべて田んぼ。

 

 

1階の教室の前、犬走りと花壇の間に座って、しばらく空を眺めてた。

雲がなくて、夕焼けに変わる頃を見てた。

声を上げて泣いた。

 

中学生に戻りたいとは思わない。

過去がわたしを救ってくれるとも思わない。

 

自殺をはかって気づいたら入院していて、退院した日の空も、

今まで生きてきた中で最も好きだった彼と別れた翌日の空も、

とてもきれいな青だった。

雲がなくて、静かだった。

私の中身はぐつぐつに煮えてるのに、そんなの知らないよって言うくらいの穏やかさがあった。

このときも同じだった。

慰めてくれる人間でもない、包んでくれる毛布でもない、

満たしてくれる金でも愛でもない。

 

「僕が選んだ毎日なのに 迷ったりヘコんでみたり

 写真の中の無邪気な僕は 果たしてなんて言うんだろう」

 

自分で選んだ大学だ。

自分で選んだ学問分野だ。

それなのに、ロクに学業もしてこなかった。

学歴を金で買った気分だった。

しかも、親の金。

 

中学校の頃は自分が千葉大に本当に通ってるだなんて想像もしなかった。

そして、大学生になっても勉強嫌いで最後まで逃げ続けてることも。

 

 

「明日の僕をむかえに行く あの頃に負けないように」

「憧れてた 夢のことを 話すよ」

「理屈など分からないから」

 

過去が慰めてくれるわけでもない。

救いを求めて空を眺めるわけでもない。

 

感情なんてなくなっちゃえば淡々と論文を書けるのかもしれない。

なんとなく、なんとなくわかっていてもできない。

割り切れない。

 

理屈はわかってなきゃ論文は書けない。

感情論は一切通用しない。

甘えもごまかしも。

 

 

1時間経ってた。

携帯電話の電源を入れたら、親から2件、着信があった。

 

あ、もうすぐ紅白歌合戦

指も冷えたしそろそろ帰らなきゃ。

今夜はすきやきだって言ってたな。

ごはん食べて、嵐見て、また頑張ろ。

 

自分の中の引きだしを全部あけたら、なんとかなるかもしれないから。

やるしかないし、生きるしかないし。

過去にはもう戻れない。

明日の私にたどり着こう。

 

 

「それでも続く道ならば 信じるまま歩もう」