パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

「時間がない中みなさんのために準備をしてくださいました」

研修やOJTは、人事部や研修担当だけの仕事ではない。

営業部ならば新入社員のために飛び込み方をレクチャーするし、内勤事務ならば電話の取り方から備品管理まで新人に教えていく。

 

それはもちろん、正社員だけじゃなくて

たとえば飲食店のホールスタッフだって同じことが言える。

メニューを教えて、トレンチへの乗せ方や下げ方、レジのいじり方を仕事中に教えていく。

 

新人は使い物にならないから、時間を割いて、手間を割いて、普段の業務にプラスアルファで育てていく必要がある。

 

 

今日も今日とて研修。

我々新入社員に向けて、ある社員が言った。

「ここにいる先輩社員たちは時間がない中みなさんのために準備をしてここに来てくださっていますので、しっかりと研修を受けてください」

 

しっかりと。

しっかりと受けたいのはこちらも同じである。

それでも、スクリーンに投影された資料は文字が細かく、切り替えが早く、

メモをとるのも画面を見るのも、話している内容を踏まえて近所の子たちとディスカッションするのも、全然追いつかない。

 

5人1チームで一人ずつ意見を言って2分で話し合い結論をだし全体発表するのも結構無理なのである。

 

「3分前には着席してください」

研修室の施錠があけられたのは、開始5分前だった。

2分で200人が着席するのは物理的にほぼ無理なのである。

150人の全校生徒が避難訓練にて教室から脱出したのち校庭で静まり返って校長先生が話し始めるまでたいてい7分くらいはかかっちゃうくらい無理なのである。

 

「時間がない中」準備した資料だから、多少見にくくても仕方ないのか。

「時間がない中」作り上げた研修だから、時間配分が強引でも仕方ないのか。

 

 

先輩社員の「時間がない中みなさんのために準備をしてくださいました」が、言い訳にきこえて仕方なかった。

ムカツク、って思った。正直ね。

時間がない中でも完璧を見せつけてきて、[あんな風になりたい」と思わせるくらいの気概と根性ある先輩が私たちだって欲しい。

そんなひとたちについていきたい。

 

 

その会社に入った新人に「先輩社員たちは時間ないけどたくさんの仕事こなさなきゃいけないんだよ」って言ったって、わかんない。

だってまだ仕事してないんだもん。

童貞に加藤鷹のようなセックスを求めてるようなものである。

 

新人も新人で、例えば残業がどういうものか妄想をめぐらせてるだけ。

実際に残業したことないのでどれだけつらいものかわからないのである。

だから、先輩社員がいう「時間がない中準備をする」というのも、新人社員にとっては本当にどれだけ時間がないのかわからないのである。

 

 

理想を語るのは簡単だ。

他人を批判するのも簡単だ。

そして、その言葉に行動や実利が伴わなければ何の意味もないことも、大人だったらどこかで気づいている。

 

わたしは、時間がないことを言い訳にしたくない。

「時間がないけれど、今できるすべての力を注いでみなさんのために準備をしてきました」と言い、誰かを圧倒するニンゲンになりたい。