パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

不安定と安定をいったりきたりしている

来月に迫った結婚式のため、準備に割く時間がだんだんと増えてきた。


招待状の返信をもとに席次を決めたり、衣装・小物を決めたり、お車代や宿泊などを手配したりしている。旦那とタスクリストを共有しながら進めている。

タスクの進捗確認やリマインドが無いとだいたい旦那はそのタスクそのものを忘れてしまう。
2019年1月、披露宴のプロ司会者から「家族との思い出を思い出して、簡単にまとめてきてください」と言われた。
プロフィールの口頭紹介やちょっとした場面展開の時間の合間に話すためのネタだ。
旦那は、その場では「わかりました」と答えた。
宿題だからね、とタイムスケジュール用紙のすみっこにメモも書き残した。

 

次の打ち合わせ。やるのを忘れていたし、なんだったら宿題の存在自体を忘れていた。
プロ司会者は困っていた。私もちょっと恥ずかしくなった。わかりましたって返事したのに。なにをわかったの。
30手前の成人男性がそんな小学生みたいなことするの?ってにわかには信じられなかった。朝、登校前、ランドセル背負ってさあいってらっしゃいの直前に「おかあさん、今日図工で牛乳パック使うんだけど」って言いだす小学生みたいだって思った。抜けてるところが時々あるなっていうのは知っていたけど、私が結婚相手に選んだ人、穏やかで落ち着いてるなって思ってたけど、実はそんなこともない。家では、ケでは、不意に幼さや抜けが出る。そして、結婚式というハレの場でも、準備期間であればケの扱いになるのだろう。見事に抜けた。そして、「家族の思い出を思い出してまとめとく」という、独立したタスクはそのまま2019年1月に置き去りにされ、納期をブッチした。

 

他にも私がリマインドをかけなかったために、提出期限をブッチしたものがいくつかある。とにかく、結婚式に対する当事者意識が薄い。平均的な旦那だとも思う。なるほど、これがだれもが言う「結婚式で一度めっちゃ言った」「毎週ケンカしてた」「ほんとに何もやってくれない」というやつか。

能動的には自分から何もやらない。タスクの納期を決めてもブッチするし、自分からリマインドかけようとも確認しようともしないし、私のタスクにまで気を回そうともしない。

 

正直、苦しい。気持ちに余裕がなくなっていく。心がすり減っていくのがわかる。

バラの花束に大粒のダイヤがこぼれ落ちそうな婚約指輪の写真や、ツーショット、外資系ホテルの薄暗いフロントのインスタグラムを見るたびに、比べてしまう。今の自分をどんどん受け入れられなくなる。誰かがうらやましくなり、愛が、わからなくなる。つらいきもちが、喉の奥からこみあげて痛みを感じる。

 

つらいけれど結婚式はしたい。前向きな気持ちで準備したいのに全然楽しくない。

 

プロ司会者に言われた「一番大切にしなきゃいけないのはあなた自身なのに、『みんなのため』がまず第一に来て、あなたはどうしたって不安なのね」「それは生まれ持った性質だから仕方がないわ」「あなたが幸せでいればみんなが幸せでいられる、それが結婚式だから大丈夫よ」という言葉を何度も抱きしめている。

 

40日後、私は、結婚式の前夜、肩の荷を降ろせているのだろうか。

苗字も変え、銀行や区役所の手続きも済ませ、静かな気持ちでホテルのキングベッドに沈んでいられるのだろうか。美しい肌と納得のいく身体であるのだろうか。

いろんな人から聞く話を総合すれば、私はきっと平均以上に準備を順調に進めていると思う。それでも、まだ納得がいかず、最善を尽くしたという気持ちになれない点がたくさん見える。

こんな気持ち、センター試験直前の冬休みぶりだ。

合格発表は誰からもらえるのだろう。

CDのビニール


嵐。

好きだ好きだと言いながら
実はシングルはほとんど購入してきたことがない。

アルバムとコンサートのブルーレイ、MORE、年末のテレビガイド誌、嵐がCMしている何か(ex.日清オイリオ、ナノックス、サロンパス、めぐりズム、明治チョコレート、日立の掃除機)を購入しているうちに、「シングルA面はアルバムに入るしまあいいか…」と優先順位を落としてきた。

 
先日、嵐のシングルを4枚購入した。

2018年に発売された音源を使いたいのだけど、アルバムが発売されなかったから。
ファンとして売上に貢献できないのは情けないが、メルカリを利用した。
まとめ売りをしている出品者と出会えたため、すぐに購入でき、しかも即日発送してくれた。
手元に届いた封筒を開けると、丁寧に梱包され、さらにCDを包むビニールすら傷ひとつなくついていた。
愛されていた。この出品者に、嵐は、非常に大切にされていた。

先日星野源のPOP VIRUSを購入し、なんの躊躇いもなくビニールを捨てていた自分の旦那を思い出す。

出品者は、嵐のアルバムやシングル、公式写真だけではなく、ツアーグッズ、雑誌など嵐にかかわるあらゆるものを出品していた。

担当を降りるのだろうか。どうして降りてしまうのだろうか。コンサートに当たらなかったから?熱愛記事?ほかのグループに担当を見つけたのか?

愛されていた事実はビニールひとつに見えてくる。
誰かの愛を受け継いで、私は嵐を愛していく。