パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

帰りたいという気持ちだけが宙に浮いている

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きもちが疲れている。

先月だってそうだった。

 

突然、田んぼが見たくなりgoogleストリートビューで田んぼを散策した。

都心まで電車で1本1時間の場所に広がる田んぼ。

ストリートビューが撮影されたのは、どうやら冬のようだった。

枯れ草が掛け布団のように地面を覆い、風もなく、ただ静かに春の田起こしを待つ

田んぼの周りを、私は行ったり来たりした。

 

その週末、私は田んぼに行った。

ストリートビューでは我慢ならず、田んぼを見たくなった。

田んぼを吹き抜ける風と稲がなびく音を感じたくなった。

 

知らない土地に降りる。

中心街を背にして、坂をくだり、広くて平らで人がいない方に歩いていく。

目の前がひらけ、そこには稲刈りの直前の田んぼと軽トラと何かを燃やしている煙が見えた。

台風が来る前に刈らなければ、コシヒカリは倒れたり水に浸かったりしてしまうから

お盆過ぎに稲刈りをする土地もある。

ここはこれから稲刈りをするようだった。

 

いいときに来れた、と思った。

いのちが実り、輝いていた。

 

近くに寄ってみてもいいし、顔をあげてもいい。

水を引く側溝とか畦道とかも見た。ザリガニの姿は見えなかった。

田んぼを一周して、また、少し離れてみて、しばらくぼんやり眺めた。

 

今年は季節が月ごとに変わる。

9月の夕方は日差しが和らぎ、風が涼しく感じられる。

夜になったら、この場所はどれくらい星が見えるのだろう。

 

帰りにコンビニに寄ってアイスを買い、電車を2本見逃しながら食べて、帰路についた。


そこから1ヶ月経って、またきもちが疲れている。

もうさすがに田んぼを見ることはできないから、

自分が生まれ育った土地のコシヒカリを買った。

毎日ご飯を炊いて、少しずつ食べている。

 

地元は田んぼの多い田舎だった。人よりもカエルの方が多い場所だ。

コロナのために帰省できず、もうすぐ一年が経つ。

頑張っているじぶんをもっと認めてあげたい。