パンケーキはブスの食べ物

あくまで可愛いのはパンケーキであってわたしではないのだ。

聖火リレーハイライトを見ていた

最近のニュースはコロナのワクチンがどう、八街の事故がどう、熱海の土石流がどう、と見ていてしんどくなる。

トピックそのものもしんどいし、SNSパブコメでは、とにかくニュース1つ1つに言及してお気持ち表明したり怒ったりする人も目に入ってしまって、しんどい。

上野動物園で双子のパンダが生まれた、くらいしか明るいニュースがなかったな。

 

 

私のレグザは「嵐」Snow man」「二宮和也」「佐久間大介」などでキーワードを設定し、自動録画が引っ掛かるようになっている。どういうわけか、聖火リレーハイライトが検索に引っかかるらしく、毎日録画されている。5分の番組だし、気が向いた時になんとなく見ている。

47都道府県を1万人で繋ぐ聖火リレー。福島を出発してから一通りの道府県を回って、神奈川・千葉も抜けて、今は茨城まで繋がった。残るは、埼玉、そして東京。

 

聖火リレーハイライトはいつも嵐の『カイト』が流れている。

東京2020オリンピックは背負うものが多いから、栄光の架橋みたいな、金メダル一直線の曲じゃなくてよかったなと、祈りのような曲でよかったなと、たった5分の番組で毎回感じる。

2021年に嵐はいないけれど、未だ開会式で一夜限りの復活を心のどこかで期待している。

 

 

オリンピックは今更中止ですっていうのはなさそう。

東京直下型の巨大地震が起きるか、南海トラフがぶっ壊れて富士山が噴火するか、あるいはもう一度3.11の津波が来るくらいの、よっぽどの死人が出ない限り中止にならないだろうな、と思う。

 

もし、東京じゃなくてパリやロンドン、中国が開催地だったらどうなってたのだろう。

オリンピックを開催できそうな主要国の7月4日の新型コロナ感染者数を見てみたら、なんというか・・・だからIOCも東京開催で話を進めるんだろうなという数字であるように感じられた。

 

7月4日(この1日に限る)

アメリカ 3697人 (国人口3億2900万人)

フランス 2549人 (国人口6500万人)

ロシア  24693人 (国人口1億4400万人)

イギリス 23818人  (国人口6700万人)

ドイツ  411人  (国人口8300万人)

カナダ  242人   (国人口3700万人) ←ちょうど東京都の人口くらい

中国   0人   (国人口13億9800万人)

日本   1485人 (国人口1億2500万人)

     うち東京 342人

 

こう、数字みてみると、日本より感染者数が少なくて人口比で見てもいい感じなの、ドイツくらいしかない。イギリスとロシアは観客入れて欧州W杯やったら感染爆発しちゃったんだっけ。

欧米からしたら日本って地理的にも距離あるし、感染者数もコロナ盛り上がってきた時から欧米ほど膨らんでないし、欧州開催よりは東京で開催していただいた方が一般市民の感染リスク低いし、コカコーラ飲んでテレビ見て応援すれば外出自粛の暇潰しにもなりいいことばっかりですね。自分がもしヨーロッパに住んでたら、東京開催がいけるっしょ的な考え方をしてもそんなに不自然ではない気もする。

 

2週間後に迫ったオリンピック。

パラリンピックまで閉会式を迎えた時、どうなっているんだろう。

いい開会式でした、嵐が一晩だけ揃いました、メダルがたくさん取れました、コロナの感染拡大は抑えられました、

前向きなニュースが聞けるといいなあ。

 

 

 

参照)

www3.nhk.or.jp

 

www.stat.go.jp

 

 

佐久間くんは魔除けの逆柱

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SnowMan主演の滝沢歌舞伎ZERO2020をみてきました。

 

去年のブルーレイを購入していたのでバッチリ予習してはいたものの、

ウェイターが全然説明してくれないけど出てくる料理はとにかく全部美味しいフレンチのフルコースを食べているような気持ちになりました。

 

佐久間くんがずるい!とにかくずるい。美味しい。なに、あの、牛若丸・・・。

 

語りのスーツもかっこいいし、牛若丸もかっこいいし、もっと食べたいもっともっと!と思っていたら一瞬で終わる。食べきってないのに、皿を片付けられたような気持ちに何度させられたかわかりません。

全編通して満遍なく出てくれるし、なんか役も美味しい。

金さんかわいい。

エンドロールのおかわりCrazy F-R-E-S-H Beatの金さんも、すごいよかった。

かわいい。腰に定規入ってる??ってくらい背筋ぴーんってなってるのもかわいい。

歌割りパートだけ急に佐久間大介に戻るのまじでよかった。あの4分間だけを延々とリピートしていたい。

 

とにかく美しい。女方も、指先まで美しく、Black Gold もCrazy F-R-E-S-H beatも瞳の奥まで美しく、髪の毛先一本まで美しく、こんなアイドルみたことないよ〜!!!

画面に出てくるたびにこにこしました。

 

下手や後列でダンスすることが多い佐久間くんだけど、それだけ目を引く動きをするから全体を引きでみたい!という気持ちにさせてくれるのはグループにとっても良いことだな〜と思います

そして普段端っこにいればいるほど、センターで歌ったり踊ったりする瞬間の尊さが増す・・・

 

今夜の主役は佐久間くんで決まりさ

 

 

今年はSnowManに気付いてFCに入り、ツアーが中止になり、生配信を楽しみ、紅白に出られなくなり、滝沢歌舞伎を楽しみ、とSnowManと出会えたおかげで泣いたり笑ったり忙しい年になりました。

とはいえ私は何より、嵐が大好き。

活動休止と向き合って悲しくなる時間も、SnowManが忘れさせてくれたように感じます。

 

 

SnowManは平均身長が170後半で、みんな小顔足長モデル体系ばかり。

でも、佐久間くんは身長168cmだから、舞台挨拶などで横並びになると一人だけ頭ひとつ低くなることが多いです。ダンスでは動きが一人だけ別格だから、バチバチに存在感あってその身長差を感じさせないけど、でも、なんか、ちんまりしています。

それがすご〜く可愛くて、魅力。

でもラジオでは185cmだとか嘘ついていたりして、身長って結構本人たちも意識するところがあるんだろうな〜とよく思います。

 

 

滝沢歌舞伎を見て、佐久間くんは魔除けの逆柱みたいだなと思いました。

 

日光東照宮の陽明門には、12本の柱があり、そのうち1本だけ逆さになっている柱があります。

「満つれば欠ける」ということわざ、そして完璧なものには魔物がとりつくという古い言い伝えがあり、あえて1本柱を逆さにし、不完全な門にしたと言われています。

「完成したらあとは滅びるのみ」を避けたから、300年経っても陽明門は未完成です。

 

完璧ではないというのは日本古来の哲学、美学だと感じます。

 

佐久間くんの身長は一人だけ160後半でスノの平均より下だけど、

逆にそれがSnowManというグループの魅力を加速させていると思います。

魔除けの逆柱のように、満ち足りることはないから。

 

総じて素晴らしい映像作品だった滝沢歌舞伎ZEROですが、

Make It Hotの大サビの部分、佐久間くんの美しいピルエットターンが

見切れて映らなかったことには文句を言いたい。

なんで上手の寄りで撮るんだよぉ!!!!!!!

劇場で、大きな声出して立ち上がりそうになった。

ブルーレイになるときは定点映像も欲しいな・・・・・・・

 

 

すのちゃんたちは、とっても素晴らしいグループです。

来年からの活動もとっても楽しみ。

今年紅白に出られなくなっちゃったけど、来年は絶対に出られるよ!

すのちゃんたちに、お金を払うぞ〜。

 

 

 

帰りたいという気持ちだけが宙に浮いている

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きもちが疲れている。

先月だってそうだった。

 

突然、田んぼが見たくなりgoogleストリートビューで田んぼを散策した。

都心まで電車で1本1時間の場所に広がる田んぼ。

ストリートビューが撮影されたのは、どうやら冬のようだった。

枯れ草が掛け布団のように地面を覆い、風もなく、ただ静かに春の田起こしを待つ

田んぼの周りを、私は行ったり来たりした。

 

その週末、私は田んぼに行った。

ストリートビューでは我慢ならず、田んぼを見たくなった。

田んぼを吹き抜ける風と稲がなびく音を感じたくなった。

 

知らない土地に降りる。

中心街を背にして、坂をくだり、広くて平らで人がいない方に歩いていく。

目の前がひらけ、そこには稲刈りの直前の田んぼと軽トラと何かを燃やしている煙が見えた。

台風が来る前に刈らなければ、コシヒカリは倒れたり水に浸かったりしてしまうから

お盆過ぎに稲刈りをする土地もある。

ここはこれから稲刈りをするようだった。

 

いいときに来れた、と思った。

いのちが実り、輝いていた。

 

近くに寄ってみてもいいし、顔をあげてもいい。

水を引く側溝とか畦道とかも見た。ザリガニの姿は見えなかった。

田んぼを一周して、また、少し離れてみて、しばらくぼんやり眺めた。

 

今年は季節が月ごとに変わる。

9月の夕方は日差しが和らぎ、風が涼しく感じられる。

夜になったら、この場所はどれくらい星が見えるのだろう。

 

帰りにコンビニに寄ってアイスを買い、電車を2本見逃しながら食べて、帰路についた。


そこから1ヶ月経って、またきもちが疲れている。

もうさすがに田んぼを見ることはできないから、

自分が生まれ育った土地のコシヒカリを買った。

毎日ご飯を炊いて、少しずつ食べている。

 

地元は田んぼの多い田舎だった。人よりもカエルの方が多い場所だ。

コロナのために帰省できず、もうすぐ一年が経つ。

頑張っているじぶんをもっと認めてあげたい。



 

「嵐としてやり残したことがある」とずっと思っていて欲しい


ARASHI - Love so sweet : Reborn [Official Lyric Video]

 

「伝えきれぬ愛しさは花になって街に降って」の後、ずっと画面に花が降ってるのかわいいね

 

 

Love so sweetが生まれ変わって公開された。

「嵐」が国民的アイドルと呼ばれ始めた頃の一曲。今だってMステや紅白歌合戦のメドレーに組み込まれ、20周年ツアー「5×20」ではアンコールとして披露され、参戦するたびに映像が更新されていった曲。

「伝えきれぬ愛しさは花になって街に降って」と歌う嵐からの愛が、5大ドームに50回、毎回毎回形を変えて降ってきた。

 

嵐は2020年12月31日をもって活動休止に入る。

発表がされてから、気持ちに折り合いをつけて、インスタやテレビを楽しんできた。

 

そして2020年5月14日金曜日、あるいは15日土曜日、私は嵐に新国立競技場で会えると思っていた。

それがどうだ。公演は日付未定の延期になり、去年「後輩に託す」と宣言したワクワク学校が、毎週土曜日に配信されている。こんなの思い描いていた2020年じゃない。話がちがう。ファンクラブに加入してしっかり年会費を払っているのに、会報は来ない。FCっぽい還元といえば、ワクワク学校が500円オフになったくらいじゃないか。どうしてくれる。ファンと嵐の2020年は何にも計画通りに進んでいない。

 

Apple MusicもNetflixも契約して、InstagramTwitteryoutubeもチェックして、ファンは、嵐を見届けている。

5人が、5人の手で、嵐を殺そうとしているところを、じわじわと嵐が死んでいくのを、見届けている。

 

 

5人は、新型コロナウイルスで外出自粛になってから「何か僕たちにできることはないか」「残念なことですが」と最近何度か言葉にした。

残念?でも表情は全然変えない。二宮くんなんて全然気持ちを見せない。結婚したときの記者インタビューの時だって、そうだった。ずるいよ。さすが、アカデミー賞最優秀主演男優賞。演技派の自担。感情を揺さぶられている演技なんかすぐにできるだろうに、怒ったら一番怖いなんて言われたりするのに、なんだよ。スカしちゃって。5人で命がけで話し合って、人生全てをかけて、「国民的アイドルの嵐のメンバー」として、いつでもどこでも立ち振る舞って。そうして、すぐ爽やかな笑顔を振る舞って、みんなを幸せに、楽しい気持ちにしてくれる。安心させてくれる。

 

ファンよりも辛いのは5人のはずなのに、どうして悲しみや苦しみを全く出さないでいられるの。

もしかして本当に、辛くはないの。

 

2020年、嵐には後悔に後悔を重ねて、思い描いていた最後の1年を何にも叶えられなくて、300万人のファンがみんな悲しんで、オリンピックで限定復活とかもしないまま時が過ぎて、そして5人も「やり残したことがある」ってずっと思っていてほしい。心の奥底に仕舞い込んだ宝箱を、「あの時やり残したことがあるから」って、いつかもう一度手にとって、開けて、一緒に楽しんでほしい。

 

 

もう国立競技場のコンサートなんてできなくていい。

 

できなくていいから、

当選メールを、応募した人全員に送って、

そして数日後にコンサート中止のお知らせも送って、

そうして、そのまま、私たちファンを、

「本当だったら国立で嵐に会えるはずだったのにね」って

優しい毒に永遠に漬け込んでほしい。

 

 

嵐はいつだって優しい。

私たちに寄り添い、励まし、愛を注いでくれる。

私たちの2020年がまた過ぎていく。

こんな散々な気持ちで最後の一年を終わらせたくない。

 

明けない夜は無い。二重否定。つまり強い肯定。

 

また嵐に会いたい

 

信じることが全て

 


嵐 - Love so sweet [Official Music Video]

 

おうちに帰りたいという概念

在宅勤務がスタートしてから1ヶ月が経ちました。

仕事が捗る日もあり、VPNが繋がらず自前のPCでウェビナーを見る日もあり、何も集中できなくておうちに帰りたい・・・と思う日まである。

 

在宅勤務とは、「プライベートを職場が侵食している」状況を作り出していることだと私は思う。

 

3月までは、オフィスまで40分かけて通勤していた。

境界線を飛び越えていた。あっちに行っても、小田急線が私を毎日こっちに連れ戻してきてくれていた。

それが突然、変わった。あっちに行く必要がなくなった。

往復80分に、化粧をする時間が浮いた。約2時間の自由時間ができて最初は嬉しかったのに、10日経つとだんだんおうちと仕事の境界線が曖昧になってきていることに気付いて、2週間目には完全にこっちもあっちになった。

おうちに帰りたい、と思うようになった。紛れもなく、私はリビングのソファに座っている。冷蔵庫から取り出した麦茶を飲んでもいるのに。

 

 

こっちに体があるまま、あっちに行くにはどうするか。

 

化粧をした。

 

ちゃんと着替えた。

 

だらだらメールチェックをしないようにした。

 

 

 

そして、新たなこちら側を作り出した。

 

 

 

 

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今をときめく神ゲー「あつまれどうぶつの森」を買いました。

 

あつ森には私がいて、おうちがある。外出ができる。友達とも連絡が取れる。コロナのない世界がある。景気がよく戦争もない。何かと借金を背負わせてくるたぬきはいるが、住人は優しく、明るく、そして親切なハムスターとペンギンとフラミンゴとネコ。風邪を引いたりハチに刺されてお薬が必要になる時はあるけれど、コロナはない。素晴らしいこちら側ができた。

 

私は、ようやくおうちに帰れるようになった。

あつ森は、職場に侵食されない「こっち」だ。

小田急線に代わって、ニンテンドーswitchが私を毎日こっちに連れ戻してくれるようになった。

ゴールデンウィークはずっとこっちにいる。

おうちに帰ります。

帰れるおうちがあるって、いいなあ。

今日はメーデー

 

ハリネズミを描く仕事をしました

 

先日、秘書からイラストが描けるデザイナーにジョブチェンジできました。

自分が楽しいやってみたいと憧れ続けたイラストレーターに毎日触れることができ幸せです。

能力が追いついていないな〜と思うことも多々ありますが、ちょっとずつ勉強中。

 

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最近はハリネズミをたくさん描きました。

ハリネズミって難しいね。

毛の表現を変えるとすぐおブスになるしモフモフになってしまう

しかもイラストレーターで描くとなると、

こんなアニメの設定画みたいなハリネズミでは手足や表情が動かしにくい!

フリーハンドで描くのと、楕円やパスをあーだこーだ組み合わせたり変形したりして描くのはやっぱり少し勝手が違います。

目とか手足を左右対象に描くなら図形を変形させてコピペする方が圧倒的に美しい。

 

 

生まれてこの方小動物を飼ったことがないので、

デッサンが全くわからない。

ハリネズミは猫みたいに伸びるのか???首結構長いの???ほよ?????

 

ネットから画像を拾ってきてひたすら模写。

そしてついにあつまれどうぶつの森も飼ってしまいました。

ハリネズミ界でおそらく最も有名なハリネズミである

エイブルシスターズのきぬよちゃん、最初からいるわけじゃないのね・・・

(昨日ようやく案内所が改装された)

 

 

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左のピョーンしてるのと右側の横向いているやつまじで可愛くないですか?

 

 

 

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だんだん雑になるラフ

最初に書いたのと比べると頭身も変わったし二足歩行になりました。

 

この記事にアップしたハリネズミたちですが、今はお蔵に眠っています。

確定デザイン、日の目を見るのが楽しみ。

おばあちゃんは今夜も夢に立つ

昨夜もおばあちゃんの夢を見た。

 

 

私の祖父母は四人とも既に他界している。

一番早くにお別れをした父方の祖父の十三回忌が、先月執り行われた。

当時、私は中学生だったか、高校生だったか、もう覚えていないが、とにかく12年前に亡くなったのだ。

父方の祖父母は同じ市内に住んでいた。

週末になると、しばしば遊びに行った。

お盆には親戚が集まり、甲子園が延々と放送される居間でスイカを食べた。

お正月にも集まり、お年玉をもらって、箱根駅伝が放送される居間でミカンを剥いた。

やがて祖父は寒い冬の日に救急車で運ばれ、数ヶ月か一年くらい入院して、息を引き取っていった。

 

父方の祖父に関する記憶は少ない。

寡黙で勤勉であり、子供を可愛がるということはあまりしない人だったように思う。

 

私はおばあちゃん子だ。

小学校3年生まで、母方の祖父母と同居していた。

同居していたといっても、母屋と離れにそれぞれ住んでいた。

庭には、ミカンの木、渋柿が2本、甘柿が2本、梅の木が2本、グミの木が1本あり、他にも金木犀、ヤシの木、ソテツ、ヤツデ、楓、槙、アロエ、除虫菊、菜の花、シソ、どくだみ、なんかいい感じのコケ、結構広い畑、金魚鉢があった。

 

季節ごとに、梅、菜の花、楓、椿、が庭に彩りを添えていた。

 

幼い自分にとっては庭がとても広くて、じじいが焚き火して芋焼いたり、アオダイショウやイタチが出たりした。ときどき、金魚は猫に食べられて姿を消す。

雨の日も雪の日も、どの季節も楽しい庭だった。

 

両親共働きだったから、放課後はおばあちゃんのいる母屋で暮らした。

母が遅くなる時は、おばあちゃんが夕飯を作ってくれて、唐揚げをつまみ食いした。

夏休みも、冬休みも、おばあちゃんちで宿題を進めた。

引っ越ししてからも、放課後はおばあちゃんちに帰った。

高校生になり、じじいがガンを患った。同居する叔父もガンを患った。やがて、おばあちゃんはひとり暮らしになった。

でも、私たち孫がよく遊びに行ってたから、おばあちゃんは元気でいてくれた。

3.11があった時は、おばあちゃんちで電気が回復するのを待った。寒くて怖くて眠れない夜でも、避難所よりよっぽど安心できる場所だった。

 

その後、おばあちゃんは私の成人式、弟の成人式、妹の成人式を見届けた。

 

2017年、私は彼と同居をはじめ、彼の実家に挨拶に行った。7月だった。その帰りに一本の電話をもらった。母からだった。

 

「おばあちゃんね、ちょっと具合が悪くて入院することになった。輸血することになったけど、意識はあるから、来週にでも帰ってきてちょうだい」

 

そうなんだ、お盆に帰省するつもりでいたけれど、スケジュールを組み直そうかな。

ベッドに潜り込み、眠りについた。

 

遠くでiPhoneのバイブが聞こえる。未明、母からだった。

 

おばあちゃんは眠っている間に、息を引き取った。

病院に搬送されても、どこの病院の何階で、どのあたりの病室なのかハッキリ言えたという。

入院する前の1週間は、急に元気がなくなり、食欲も落ち、桃を一切れ、ふた切れ食べたそうだ。

 

 

葬儀が終わってから、もう2年経つ。

他の祖父母は一回もきてくれないのに、おばあちゃんだけは定期的に夢に立つ。

唐揚げや酢の物、ポテトサラダをよく作る姿、こたつでテレビを一緒に見たり、なんてことはない日常の記憶が再生されている。

いまだに生きているような気がして、目が覚める。

成人式をあんなに喜んでくれたおばあちゃんに、結婚式を見せてあげられなかった。

 

 

 

十三回忌の法事で、僧侶は話していた。

法事で親戚が集まり、故人を偲んで話すことが供養になること。

急に大切な人がいなくなることは受け入れがたいものであるが、少しずつでも生活になじんでいけること。

忘れたり思い出さなくなることは悪いことではなく、悲しみから抜け出せている証。

 

お別れは、花を手向け、火葬し、祈り、拝み、念仏を唱え、煙を薫せ、墓に納めるだけではない。

もっと長い時間がかかる。ずっとお別れをし続けなければいけない。

夢ではない場所で、会いたいと思う。

 

おばあちゃんちには、今頃、赤い椿が咲いているだろう。